【実物で分かる! ポートフォリオの作り方 】下準備からコンセプトまで

デザイン系の職種でしばしば求められるポートフォリオ。ただ、その作成は割と大変な作業で、思った以上に時間と労力がかかります。そこで、文系学部ながらポートフォリオを作成した自分が実際にどんなふうに作成していったのかを実物を使って解説

「何をコンセプトにしたのか?」

「どんなフローをたどったのか?」

「何を参考にしたのか?」

などの最初の一歩を分かりやすく解説したので、ポートフォリオを作成する前に参考にしてみて下さい。

※文系学部の方でも作品を持っているなら、ポートフォリオにしておくとスムーズに自分を伝えられるので作ってみてもいいかもしれないです。知らんけど。自身は就活の際、企画や編集などを希望していましたが、そこでポートフォリオの提出を求める企業もありました。(任意でしたが)

 

 目次

▸そもそもポートフォリオって何?
▸大まかな作成フロー(こんなふうにして作ったよ)
 0.情報収集
 1.コンセプトの決定(最も自分が伝えたいことの決定)
☝今回はここまで

 2.作成(アウトプット)
 3.ブラッシュアップ
▸ちょっと気になるQ&A
▸参考ソース


自身の紹介

まっつん
立命館大学 経営学部経営学科 4回生
Syumirun!が発行するリーフレットやフリーペーパーのデザインを担当。他にはSyumirun!関連で商店街のマップや友達が主催するイベントのロゴなどを制作。
最近暇すぎてガンダムを一から観なおしている。先は長い。

 

そもそもポートフォリオって何?

ポートフォリオ(portfolio)は、クリエイティブ業界では主に「作品集」の意味で使われています。特に「就活や転職の際に企業がその人の能力や人物像を見るための資料」の一つとして使われます。

なので、まず初めに抑えておくこととして、ポートフォリオとは自身の作品集であると同時に「履歴書」であるということです。自分とはどんな人物なのか?何に興味を持っているのか?どれくらいの能力があるのか?などを単に文面だけではなく、ビジュアルなどを用いて伝えるツールがポートフォリオです。これを念頭に置くだけでも見せ方が変わってくると思います。

Photo by Maksym Kaharlytskyi on Unsplash

【ポートフォリオって??】☞ ポートフォリオ – Wikipedia

 

では、ここからどんな風にして自身がポートフォリオを作成していったのかをみていきます。

 

「いつくらいから作成を始めたか」

自身は、ポートフォリオの作成が遅く、2021年新卒ながら作成し始めたのが2020年4月後半、作成し終えたのが5月中旬頃でした。(自身は文系学部であり、一般職として就活を進めていた言い訳背景もありました。)これは、ポートフォリオの作成日程としてはかなり遅いです。チョベリバです。3月から就活が本格化しますが、ESや面接を受けながらポートフォリオを作成するのは、なかなか骨が折れます。またポートフォリオはブラッシュアップが基本あるので、早めに作成するに越したことはないです。

下記に順当な作成日程とチョベリバのURLを付けて置きました。参考にしてみて下さい。

【チョベリバって??】☞ チョベリバ – Wikipedia

 

「どんな手順で作成したのか」

大まかには以下の通りに行いました。

0.情報収集

1.コンセプトの決定(最も自分が伝えたいことの決定)
☝今回はここまで

2.作成(アウトプット)

3.ブラッシュアップ

順に詳しく見ていきます。

 

0.情報収集

0-1 ポートフォリオの作成方法を情報収集

まず初めに自分は、ポートフォリオとはそもそも何か?何が目的なのか?どのように作るのか?そして何に気をつけるべきか?を情報収集しました。以下に自身が参考にした書籍やサイトを紹介しましたので、参考にしてみてください。自分の解説よりよっぽど分かりやすく詳細です。

 

≪書籍≫

デザイン・クリエイティブ業界を目指す人のためのポートフォリオ見本帳

:美大生や専門学生が実際に作成したポートフォリオを題材として解説。様々なジャンルのポートフォリオからインスピレーションや刺激を受けることができる。

 クリエイティブ業界に就職するためのポートフォリオの教科書

:ポートフォリオの作り方をマンガ風のイラストで分かりやすく解説した入門書。コンセプトを考える際に役立つ。 

【立命館の図書館で借りられました】

☞立命館大学図書館 蔵書検索

 

≪サイト≫

・ポートフォリオの作り方

:デザイン情報サイトJDNが作った明快かつ実践に沿った解説サイト。JDNのサイトも同時にチェックしたい。 

https://school.japandesign.ne.jp/portfolio/

・美大卒ではない「私流」ポートフォリオの作り方 | りっこ | note

:題名の通り、非デザイン学部だった人がポートフォリオの作り方を解説。デザインの専門学生ではないけどクリエイティブ業界に興味がある人は共感できることが多いかも。 

https://note.com/risako74/n/n01d3cdfba546

 

0-2 自身の作品を情報収集

次に全ての自分の作品を紙に列挙しました。ここではたとえ小さいものでも制作した作品は全て列挙するといいと思います。というのも「自分がどういうものに興味を持ってきたのか」を再確認できるからです。
これに加えて、

「制作日時」/「担当業務」/「使用ソフト」/「発行部数」

などのハードの情報もExcelなどで整理するといいと思います。作成する際にあると便利です。

 

個人的には、この情報収集のステップが最も重要だと思いました。なぜなら、この先のコンセプトやアウトプットの土台となるからです。アウトプットしている最中に新しい情報や自身の作品などが見つかったら、また一から作り直すことになりかねません。(これはまじで絶望。)このステップではヌケモレなく情報収集するといいです。いわゆるMECEで列挙します。

【ネッシーって??】☞ネッシー – Wikipedia

 

1.コンセプトの決定(最も伝えたいことの決定)

コンセプトを決定する前に、自分が本当にしたいこと(Want)やできること(Can)、できる必要があること(Must)を見ていきました。(ガンタンクのように手堅く進めました。)以下の図は、就活ではよく使われるWant-Can-Mustのベン図を少し加工したものとガンタンクです。いまから行う作業はイメージ的にはこの図の共通部分を見つけていく感じで行いました。

※PF=ポートフォリオ
※ガンタンクの大砲の切り口ではありません。

 

1-1 今まで作ってきた作品の背景を探る

列挙した各作品を「なぜ作成しようとおもったのか?★1」また「作成する際に自分は何にこだわったのか?★2」を考えていきました。というのもここにコンセプトの答えがあるかもしれないからです。全ての作品を載せるわけではないので、回答にしにくい作品はパスして進めました。

自分は、★1に対して

という回答が出てきました。また★2に対して

という回答が出てきました。

 

1-2 改めて自分がしたいこと/職種を考える

ここで自分は改めて、ここまでしてなぜ自分は作品を制作してきたのか?を考えました。「我思う、故に我あり。」疑い深さはデカルト級です。そして、その答えとして、

と回答しました。そして、これは職種でいうと、クリエイティブ・ディレクター(CD)になりたいということです。

ここでのステップは、列挙した作品やその背景を参考にしながら

・自分が本心でしたいこと

・それは職種的に言うと何か

を考えるといいと思います。これを考えることで、自分が目指すべき職種が決まりますし、そのことでその職種で求められることに基づいて、ポートフォリオを作成したり、作品を追加したりすることができるからです。また、デカルトはガンダムの登場人物ではないことにも注意して下さい。

 

1-3 希望職種に必要な能力や資質を情報収集する

定めた希望職種に必要な能力や資質を情報収集します。自分はCDと定めたので、CDとして必要なことは

・右脳&左脳の両輪

・企画力(課題解決能力)

・コミュニケーション能力

・マネジメント能力

・マーケティングの感覚

などなどが挙げられていました。個人的には希望職種に必要な要素をすべて満たしていなくてもいいような気はします。というかそう考えないとやってられないです。元々は民間人だったんだぞ。またここで、もう一度自分にはその職種の適性はあるのかを考えてみるのもいいかもしれません。アムロも悩みました。

 

1-4 ★2の回答をもとに、自分がポートフォリオで特記すべきことを探る

ここでは、いわゆる「自分の強み/PR」を考えていきました。

自分自身では、自分は「物事を深く考えることができる(考えることが苦ではない)」ことが強みだと思いました。
また、作品の特徴として、「全て実践にもとづいていること」「独学で学び、回を重ねるごとにクオリティが上がっていること(非デザイン学部ながらもデザインに片足をつけていること)」「様々なジャンルのデザインをしていること」などがPRポイントになると思いました。

 

1-5 コンセプトを決定する

ここまで辿った 1-1 ~ 1-4 までのステップからコンセプトを決定しました。そのコンセプトは「企画マニア(構成力)」です。自分には、デザインの専門学生ほどデザインができるわけではありません。また、そういう人たちのようなニュータイプでもありません。(ちなみにアムロとシャアはニュータイプです。)ただ、自分には、作品を制作・アウトプットする前の、下調べや論理構成力にはまだ自信がありました。(いいぞ!)

そこで自分は制作したリーフレットやロゴ、フリーペーパーを単にアウトプットとして見せるのではなく、その背景にある「情報収集と構成力」として見せることにしました。それは自身が希望するCDに必要な要素も含まれますし(ポテンシャルがあると向こうにも言えますし)、実践に基づいているという独自のPRポイント(物事を深く考えることができること)も十分に見せられると思いました。こうして自分はひとまずコンセプト(方向性)が決まり、すっかりホワイトベースに乗り込んだ気でいました。

ここまで長文を読んでくださった方、ありがとうございました。次回は、「2.作成(アウトプット)」「3.ブラッシュアップ」についてみていこうと思います。

 

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