遊戯王のデッキづくりから考える、日本から新卒一斉採用が消えたなら【しゅみるん就活】

大和魂を持つSyumirun!ライターカブさんです。

就活生もそうでない人も必見、今回より日本の雇用習慣について肯定的に考えていきます。

新卒一斉採用1

いわゆる意識高い系の皆様や知識人の方々にディスられがちな雇用習慣のひとつ「新卒一斉採用」。メディアでもマイナスイメージばかりが発信されていますね。

新卒の大量一括採用を長年にわたり実施しているのは日本だけです。

その歴史を見てみると始まりは大正時代に遡る。

毎年の新卒者が増えたこと、そして財閥系の大企業でピラミッド組織が確立されて毎年新人を必要とするようになった時代が重なったことにより、その習慣は生まれた。

そこでは会社は学校の延長のようなものであり、全員を同時期にまとめて研修できるほうがコストも時間も効率的である。
会社で社員を教育するから潜在的に勉強ができるほうがいい。よって難関大学の学生が就職活動でも有利になり、「学歴フィルター」という考え方が現れる。

と、この部分を切り取って世論は批判していることが多い。

しかし、それは一面的な見方に過ぎない。

実は新卒一斉採用とは新卒の学生のために行っているのではなく、現役社員を成長させるためのシステムなのです。

勉強したことを友達に教えることが最も理解を促進するという話を、皆さんも受験勉強のなかで聞いたことがあるかもしれませんね。

人が一番成長するのは「人に教えるとき」「人を育てるとき」です。

新卒生が毎年入社してくることで、社内では常に「教える」「育てる」環境が確立されているのです。

一世紀近く前から社員を毎年成長させて会社を拡大し続ける革新的メソッドを取り入れていた日本式について、少し印象が変わったのではないでしょうか?(続く)

新卒一斉採用2

新卒一斉採用がいかにゴーイングコンサーン(企業は永遠に継続していくものだという前提条件)にかなった制度であるかについて述べました。

次はそれでもこの雇用制度を親の仇の如く憎む全ての人々にお送りする、

『遊戯王のデッキづくりから考える、日本から新卒一斉採用が消えたなら』

です。

あなたはデュエリストであり、これからカードを40~60枚選んでデッキを作り、闇のゲーム(負けたら死ぬかも←これ重要)に臨むとしましょう。

さあ、どんなカードでデッキを組みますか?
ほとんどのデッキに入ることが予想されるのは『死者蘇生』

だったり『聖なるバリアミラーフォース』

だったり『強欲な壺』あたりです。

これらは、言わば使い勝手がよく期待を裏切らない、効果が実証されてきたカードであり、過去の大会でも広く使用されてきたものです。(故に禁止カードになっていたりします)

つまり、すでに同業他社、あるいは他業界の同職種で実績をあげてきた人材が採用の中心となってきます。
そして戦略に応じて、プレイングの核となるカードを加えるのではないかと思います。

『ブルーアイズアルティメットドラゴン』(チョイスが古い?)など、スペシャルワンを選択するでしょう。

これらは強力ではあるものの多少使い勝手が悪かったりします。

よって『デビルフランケン』や『巨大化』といった補助カードをデッキに加え、最大限に切り札が力を発揮できるようにするでしょう。

つまり、超高度な技能を持つ一握りの天才を確保し、その人物と相性の良い、仲良くやっていける人材から優先して採用されることとなるでしょう。
最後に、最も重要な点として言及できるのは

「5枚入り150円のパックを10パック買って出たカード50枚をデッキにする」

そんなヤツは絶対にいないということです。

もっと言えば、パックなんて買わずに中古カードショップ行って全てピンポイントで揃えるに違いない。
新卒採用は、いわば企業に何が出るかわからないパックを買うよう義務づける制度です。

つまり、デュエリスト(採用側)から見ると新パックの新しいカード(新卒でこれから使えるようになるかもしれない人材)に出会う機会の創出なのです。
あなたは『強欲な壺』ですか?
それとも『ブルーアイズアルティメットドラゴン』ですか?
はたまた『デビルフランケン』ですか?
日本から新卒一斉採用が消えたなら、攻撃力1200/守備力1000のレベル4(4年生)通常モンスター『大学生』は、果たして手に取ってもらえるでしょうか? 

新卒一斉採用3

先ほどは遊戯王のパックの話をしましたね。

それについて補足すると、何が出るかわからないけど新しいカードが5枚入っていて、現在様々な種類のパックが発売されています。

この、パック自体に様々なものが存在するということがキーポイントであり、実は発行されている全カード(7700種類くらい)の中から完全ランダムに5枚入っているわけではなく、そのパックに収録されているカード(70種類くらい)の中からランダムに5枚入っているのです。

すなわち、『ブルーアイズアルティメットドラゴン』がほしい人はそれが収録されているパック(=パックAとします)を買うことになります。
『ブルーアイズアルティメットドラゴン』がほしい人と言えば海馬瀬戸でしょう。

 

よって、パックAは海馬コーポレーションの「お得意さま」と言えます。

海馬コーポレーションは大企業であり、そこに就職したい人はたくさんいます。

そんな彼らは海馬に買ってもらえる可能性の高いパックAに収録されることを望むでしょう。
よって、パックAに収録される70種類の選抜は激しくなります。

受験から就職までのプロセスにおいて「大学名」が重視されがちになるメカニズムがこれなのです。
「“T大学法学部パック”や“K大学経済学部パック”は何が出てくるかわからないけど、欲しいものが出てくる可能性が高い。」

そう思って購入する(採用する)有名企業の数が多いから、「人気大学」となり、そこに入ることが難しくなるのです。

つまり、将来の採用側ではなく、将来の被雇用側の動きが社会の学歴偏重を助長しているのです。
新卒一斉採用により学閥や学歴フィルターという概念が出現したという議論は存在しますが、その真理は「卵が先か、鶏が先か」といったところでしょう。 (終わり)

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神出鬼没のSyumirun!のライター!! 😛どーも”一進“です。僕は撮影器具大好きオタクです。最近買った1番高い機材はドローン(Gopro Karma Drone)です。ついでにドローン検定(無人航空機従事者試験)もとりました。意外にもにも国際派で、今まで23カ国を訪れてきました。どーぞよろしく!!